にかどくです。
今回は『今夜、世界からこの恋が消えても』を読了したので、こちらの感想を書いていきます。
著者紹介
本作の著者は一条岬(いちじょう みさき)さんです。
第26回電撃小説大賞にて《メディアワークス文庫賞》を受賞し、『今夜、世界からこの恋が消えても』でデビュー。
大胆な構成と緻密な心理描写が持ち味。
引用元:一条岬著『今夜、世界からこの恋が消えても』(2020年/KADOKAWA/ブックカバー袖)
あらすじ
僕の人生は無色透明だった。日野真織と出会うまでは――。
クラスメイトに流されるまま、彼女に仕掛けた嘘の告白。しかし彼女は“お互い、本気で好きにならないこと”を条件にその告白を受け入れるという。
そうして始まった偽りの恋。やがてそれが偽りとは言えなくなったころ――僕は知る。
「病気なんだ私。前向性健忘って言って、夜眠ると忘れちゃうの。一日にあったこと、全部」
日ごと記憶を失う彼女と、一日限りの恋を積み重ねていく日々。しかしそれは突然終わりを告げ……。
唐突にやってくる衝撃の瞬間。その先に待つ驚きの結末に、読む人すべてが感動に包まれる!
第26回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》受賞作!
引用元:今夜、世界からこの恋が消えても|メディアワークス文庫
(https://mwbunko.com/special/sekakoi/、最終確認日:2021/10/15/08:38)
登場人物
主な登場人物を自分なりにまとめました。
・神谷透(かみや とおる)
高校2年生。クラスメイトの下川をいじめから守るために、いじめをしている人間から「日野真織に告白する」という命令を実行し、結果的に彼女と付き合うこととなる。
付き合ううちに彼女が前向性健忘という障がいを抱えていることを知り、彼女が楽しく生きられるように思い出を作っていく。
・日野真織(ひの まおり)
高校2年生。突然告白してきた神谷に3つの条件を出したうえで付き合うこととなる。
事故の影響で前向性健忘という障がいを抱えているため、記憶が1日でリセットされてしまう。昨日までの自分がどんなことをしていたのかを知るために、手帳に日記を書いている。
・綿矢泉(わたや いずみ)
高校2年生。日野とは中学生時代からの仲良し。
彼女が前向性健忘という障がいを抱えていることを知っている。
当初は神谷が日野と付き合うことに反対していたものの、彼と彼女と時間を共にすることで、彼が彼女と付き合うことに納得していた。
感想(※ネタバレ含みます)
初めに書いておきますが、この物語は涙なくして読むことはできないと思います。
本作の主人公の神谷はいじめっ子から友達を守るために、ヒロインである日野真織に告白します。
そこで彼女からある条件を受け入れられるのであれば、告白を受け入れると言われます。
その条件とは
「放課後まではお互いに話しかけないこと」
「連絡のやり取りは簡潔にすること」
「お互い、本気で好きにならないこと」という3つの条件でした。
神谷は不思議に思いながらもこの3つの条件を受け入れ、彼女と疑似恋人という関係になります。
このことは真織の友達である綿矢は知りません。
そしてある時神谷は真織が前向性健忘という障がいを抱えていることを知りますが、そのあとの彼のスタンスがとても素敵でした。
彼女の日記を楽しいものにしたい。
未来の彼女が笑顔になれるようにしたい。
そういう思いを抱いて、彼女のしたいことを叶えていく姿が本当に格好良かったし、とても男前に思いました。
このことからわかるように、最初こそは偽物の恋でしたが、いつしか本物の恋に変わっていくところに胸がときめきました。
しかし、最後の最後で大どんでん返しがあります。
「噓でしょっ!?」と思わずにはいられないと思います。
詳細を書くのは避けますが、最後の最後まで彼女が楽しく笑顔で生きられるように願っている神谷の姿に、やっぱり泣けました。
それに日野真織という女性への愛の深さにも泣けました。
また、彼らの親友である綿矢は本当に心苦しかったと思います。
彼女には傷ついてほしくない、でも彼の約束も果たしてあげたい。
どちらの選択が正しいのかわからない分、決断するのはとても厳しかったものだと思います。
これから読む方には、綿矢が下す決断にも着目して欲しいなと思います。
一瞬一瞬を楽しくそして大切に生きていかなければ、自分の人生に幕を下ろすときに後悔すると、読了後に強く思いました。
最後に
今回は一条岬さんの『今夜、世界からこの恋が消えても』の感想を書いていきましたが、いかがだったでしょうか。
何度も言うように、この物語は涙なくして読むことはできないと思います。
これから本作を読むという方には、必ずハンカチを用意したうえで本作を読んでいただきたいなと思います。
あとは人前で読まない方が良いかもしれません。
これは僕の希望なのですが、この作品を映像作品としても観てみたいです。
どなたか映画化してくれないかなーと強く思いました。
以上、一条岬さんの『今夜、世界からこの恋が消えても』の感想でした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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