にかどくログ

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海上保安官の決死の戦い ~今野敏著『波濤の牙 海上保安庁特殊救難隊』読了!~

にかどくです。

 

今回は『波濤の牙 海上保安庁特殊救難隊』を読了したので、こちらの感想記事を書いていきます。

文字通り、海上保安庁をテーマにした小説です!

 

【新装版】波濤の牙 海上保安庁特殊救難隊 (ハルキ文庫)

 

 

著者紹介

本作の著者は、今野敏さんです。

詳細は以下の通りです。

1955年北海道生まれ。

上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。卒業後、レコード会社を経て執筆に専念。

著書に『蓬莱』『触発』『慎治』『リオ』『朱夏』のほか、小社刊に『半夏生』『残照』『花水木』『夕暴雨』『烈日』などがある。

2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞日本推理作家協会賞を受賞。

 

今野敏著『波濤の牙 海上保安庁特殊救難隊』 

(2004年/角川春樹事務所/著者紹介より)

付け加えると、『安積班シリーズ』を生み出したのも本作の著者である今野敏さんです。

TBSで佐々木蔵之介さんが主演で放送されていたドラマ『ハンチョウ』の原作者です。

 

概要

台風が接近し、海が荒れる茅ケ崎沖で、海難事故が発生した。

海上保安庁特殊救難隊の惣領正らは、直ちに現場に急行。

北朝鮮籍らしき船から、三人の男を無事救出した。

だが、救助した男たちが突如変貌し、惣領たちに銃口を向けてきた。

男たちの要求は、沈みゆく船から”荷物”を取って来いというものだった。

荷物とは一体何なのか?

彼らの目的は?

特救隊の男たちの決死の戦いが始まる――。

傑作長篇小説、待望の新装版。

 

今野敏著『波濤の牙 海上保安庁特殊救難隊』 

(2004年/角川春樹事務所/裏表紙より)

 

登場人物

本作の主な登場人物です。

 

 ・惣領正(そうりょう ただし)

海上保安庁特殊救難隊第2隊・隊長。32歳。

学生時代に知り合った有賀沙恵子との付き合いは10年になるが、結婚には至っていない。

遭難船救助のため、巡視艇「すがなみ」に乗り込む。

 

・赤井洋一(あかい よういち)

海上保安庁特殊救難隊第2隊・隊員。惣領の次にベテランで、29歳。

最も身長が高く、隊一番の力自慢。

遭難船捜索のためヘリコプターで出動したものの、惣領の指示により羽田特殊救難基地に戻る。

 

・須賀大助(すが だいすけ)

海上保安庁特殊救難隊第2隊・隊員。26歳。

一番身長が低いが、水中でのすばしっこさはNo.1。

気象に関する読みは正確で、気象予報士の資格取得のために勉強中。

遭難船救助のため、巡視艇「すがなみ」に乗り込む。

 

・三森英太郎(みつもり えいたろう)

海上保安庁特殊救難隊第2隊・隊員。25歳。

遠泳能力がずば抜けているばかりでなく、荒れた海での行動力は他の三人を凌ぐ。

対人関係を苦手としているが、遭難者には大声で絶えず声をかける。

遭難船捜索のためヘリコプターで出動したものの、惣領の指示により羽田特殊救難基地に戻る。

 

・長坂武司(ながさか たけし)

海上保安庁特殊救難隊第2隊・隊員。28歳。

冷静沈着。潜水のベテランであり、惣領は常に長坂の判断を信頼している。

趣味はスキューバ・ダイビング。

遭難船救助のため、巡視艇「すがなみ」に乗り込む。

 

・有賀沙恵子(ありが さえこ)

ジャーナリストで、30歳。

活動的な女性で、家でじっとしているタイプでなければ、男の言うことに黙って従うタイプでもない。コロンビア大学のジャーナリズム・コースに留学した経験がある。

 

・浅田(あさだ)

巡視艇「すがなみ」の艇長。

惣領が受けた遠洋訓練の教官の一人。

 

・石原敦(いしはら あつし)

海上保安庁特殊救難隊第1隊・隊長。

 

・トラギツネ

遭難船を装い、覚せい剤を密輸しようと巡視艇「すがなみ」をジャックしたトレンチコートを着た男。やたらと大物ぶりたがり、狡猾で残忍。

 

・ヌレイヌ

遭難船を装い、覚せい剤を密輸しようと巡視艇「すがなみ」をジャックした革ジャンを着た男。船の知識がある。

 

・ゴリラ

遭難船を装い、覚せい剤を密輸しようと巡視艇「すがなみ」をジャックしたフライトジャケットを着た男。短気。

 

感想(※ネタバレを含んでいます。見たくない方はスキップしてください!※)

海猿とは違って、海上保安庁が『海の警察』であるということを強調した作品でした。

 

 

密輸犯に巡視艇「すがなみ」を占拠されてしまいますが、海上保安官たちは丸腰であっても武器を持った密輸犯に対峙している姿はとても格好良かったですし、知恵と勇気が桁外れに備わっているという印象を持ちました。

巡視艇「すがなみ」はトラギツネ(惣領が腹いせに付けた密輸犯の一人のニックネーム)によって外部と通信できない状況になってしまいますが、ある物を使って外部に救難信号を送ります。

ある物を使うために長坂と須賀が勇気を持って拳銃を持っているゴリラ惣領が腹いせに付けた密輸犯の一人のニックネーム)と格闘します。

それも自身が負傷する可能性があるにもかかわらず勇敢にも立ち向かっていきました。

そのおかげで救難信号が外部に伝わり、巡視艇「すがなみ」を救出するべく、赤井や三森が動きます。

それも驚くことに台風の影響で着岸できない巡視船「やしま」にゴムボートに乗って向かうのです。

荒れた海をゴムボートで航行するなんてとても命知らずな行動だと思いますが、それは仲間思いから来る行動だと思います。

仕事で苦楽を共にしていればきっと絆が深まっていくのでしょう。

どこか羨ましさすら感じた場面でした。

そして誰であろうと命を見捨てない海上保安官たちには、自身の仕事に誇りを持っているようにも感じました。

 

海上保安庁というと、ドラマ『海猿』のように海難救助を行う機関というイメージが先行しがちです。

しかし海上保安庁の任務とは多岐に渡り、密漁・密輸・密航対策やテロ対策といったような治安維持活動や領海警備、海洋調査などがあります。

今回の作品は海難救助と治安維持活動の任務を描いた作品です。

ちなみに特殊救難隊第三管区海上保安本部に所属しています。

基地は羽田にあり、1隊6名・6隊という少人数でありながらも全国各地で発生する海難事故をカバーしているそうです。

言葉の通り、少数精鋭部隊ですね。

 

海での事件・事故に遭ったり見かけたりしたら、118番に連絡しましょう!

YouTubeにオフィシャルで出してる動画がありました。)


海上保安庁緊急通報用電話番号「118番」

 

終わりに

今野敏さんの『波濤の牙 海上保安庁特殊救難隊』の感想記事を書いていきましたが、いかがだったでしょうか。

海上保安庁を描いた小説を読んでみたいなと思って探して見つかったのが本作。

警察や自衛隊を描いた小説は多いのに、海上保安庁を描いた作品って少ない気がします。そんな中で本作と出会えたのはとても良かったです。

今度は海上保安庁の特殊部隊である特殊警備隊(通称:SST)を題材にした小説を読んでみたいですが、現状ではそんな小説はないみたいです。

今野敏さんは警視庁の特殊部隊である特殊急襲部隊(通称:SAT)を題材にした小説を書いているので、もしかしたらSSTも描いてくれそうな気がします。

ちなみにSATを題材にした小説は『精鋭』という作品です。

 

海上保安庁を題材にした小説を読んでみたいという方は、本作品『波濤の牙 海上保安庁特殊救難隊』を読んでみてはいかがでしょうか?

 

以上、今野敏さんの『波濤の牙 海上保安庁特殊救難隊』の感想記事でした。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

今回の感想記事で取り上げた作品☟

 

ほんの少しだけ触れた作品☟

精鋭 (朝日文庫)

精鋭 (朝日文庫)

 

 

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