にかどくの平凡生活

読書好きの平凡なサラリーマン。好きなことや気になったことを書いていこうと思います。

感情で記憶しているのかもしれない。 ~望月拓海著『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』読了~

にかどくです。

 

今回は『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』を読了したので、こちらの感想を書いていきます。

毎年、記憶を失う彼女の救いかた (講談社タイガ)

 

 

著者紹介

本作の著者は望月拓海さんです。

神奈川県横浜市生まれ。日本脚本家連盟会員。

本作の舞台である静岡県浜松市と盤田市で育つ。

上京後、放送作家として音楽番組を中心に携わった後、2017年『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』で第54回メフィスト賞を受賞しデビュー。

 

望月拓海著『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』

(2017年/講談社/著者紹介)

 

概要

私は1年しか生きられない。毎年、私の記憶は両親の事故死直後に戻ってしまう。

空白の3年を抱えた私の前に現れた見知らぬ小説家は、ある賭けを持ちかける。

「1ヵ月デートして、僕の正体がわかったら君の勝ち。わからなかったら僕の勝ち」。

事故以来、他人に心を閉ざしていたけれど、デートを重ねるうち彼の優しさに惹かれていき――。

この恋の秘密に、あなたは必ず涙する。

 

望月拓海著『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』

(2017年/講談社/裏表紙)

 

登場人物

僕なりに登場人物を纏めてみました。 

 

・尾崎千鳥(おざき ちどり)

成人祝いを兼ねた家族旅行で事故に遭ったことをきっかけに、解離性健忘という症状に毎年襲われ、記憶が家族旅行の前に毎年戻ってしまう。

記憶喪失が毎年起きることから、看護師になるという夢を諦め、親友の栞が経営しているフラワーショップで働いている。

 

・天津真人(あまつ まさと)

千鳥の探している腕時計の在り処を知っていることから、それを餌に千鳥に賭けを持ちかける。8年前に小説を出版して以来、エッセイを書いてはいるものの新作の小説を出版できていない。

毎日、日記を書いている。

 

・栞(しおり)

千鳥の幼馴染。小中校、大学まで同じ学校だった。

大学2年生のときに一念発起し、大学を中退し夢だった花屋を開くために、華道教室のスタッフとして花について学ぶ傍ら、夜はキャバクラでバイトをしていた。

千鳥と天津真人を何かとくっ付けようとする。

 

・小林拓郎(こばやし たくろう)

聖華浜松病院の脳神経外科医。千鳥の主治医。

千鳥からは髪の薄さでいじられており、禿げかけていることを気にしている。

脳神経外科の分野では権威と呼ばれており、腕を見込んで県外から訪れること患者も多い。

 

・磯山園子(いそやま そのこ)

千鳥の大学の同級生。

聖華浜松病院の看護師として働いていたが、結婚を機に御殿場の病院で働いている。

 

感想(※ネタバレ含む)

恋愛小説でありながらミステリー要素もある作品でした。

天津真人が小説家であることから、記憶喪失を題材にした小説を書くための取材として自分に接しているのだと千鳥は最初予想しています。

僕もこの発想に縛られていたので、真人の行動が何となく胡散臭く感じてしまっていました。

 

しかし、取材のために近付いた真人を千鳥が素直に受け入れるかという謎も残ります。

なぜなら彼女は事故に遭ってからは心を閉ざしていたからです。

記憶を毎年失うことを説明するのが億劫だから、新しく人間関係を構築するのを避けていました。

その状況下で果たして千鳥は真人を受け入れることができるのでしょうか。

 

そして真人のもう一つの謎は、千鳥とは夜にしかデートしないということです。

彼は自身をロマンチストだからと言っていましたが、いくらロマンチストでも毎回夜にデートするかなと思ってしまいました。

でも、その行動にはちゃんとした理由がありました。

それも、衝撃的な理由が……。

ちなみに天津真人の日記がちらほらと出てきますが、よくよく読んでみると千鳥の呼び方が最初の方は他人行儀なんです。

これに気付けた方は、彼の行動の理由を推理できるかもしれません。

僕は見事に見落としていたので、推理できませんでした。

それに、彼がなぜ小説の新作を書けていないのかにも理由がありました。

ただ単に新作のアイデアが思い浮かばなかったからではないようです。

 

真人が千鳥を愛する理由がとても素敵でした。

千鳥は毎年記憶を失うかもしれないという恐怖を持ちつつも前向きな考えをしていました。

そこに彼は惹かれ、治るかもしれない記憶喪失である彼女を救おうと決めたのでした。

(ここの文面で真人が千鳥とどこで会ったのかがわかってしまいそうですが……。)

 

そして本作を読んで、記憶とは何も頭の中だけにあるものではないのだなと思いました。

彼女が記憶を再び失っても、彼のことをどこかで会ったことがあると感じていたのはきっと心が覚えていたからかもしれません。

本当に素敵な物語でした。

 

最後に

今回は望月拓海さんの『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』の感想記事でしたが、いかがだったでしょうか。

本作はかなり読みやすいので、読書嫌いが顕著な方でもスラスラと読めるかと思います。

緊急事態宣言が出ている中で、家でできること、特に読書を趣味にしたいという方はこの一冊から始めてみてはいかがでしょうか。

(そのうち選書の仕方も紹介しようかなと考えてます。)

 

以上、望月拓海さんの『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』の感想記事でした。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

 

 ☆宜しければ、記事に対する感想をコメントしていただけると嬉しいです☆

 

毎年、記憶を失う彼女の救いかた (講談社タイガ)

毎年、記憶を失う彼女の救いかた (講談社タイガ)

  • 作者:望月 拓海
  • 発売日: 2017/12/22
  • メディア: 文庫
 

 

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