今週のお題「読書の秋」
にかどくです。
今回は『星になりたかった君と』を読了したので、こちらの感想を書いていきます。
著者紹介
本作の著者は遊歩新夢(ゆうほ にいむ)さんです。
大阪府生まれ。
奈良大学文学部地理学科卒業。
ユーフォニアム奏者。天文家。
英国式ブラスバンド:Frontier Brass OSAKA主催。
オーバーラップ文庫キックオフ賞「金賞」受賞作『きんいろカルテット!』でデビュー。
ほか執筆作品として『どらごんコンチェルト!』『小悪魔だけど恋愛音痴なセンパイが今日も可愛い』(すべてオーバーラップ文庫)など。
引用元:遊歩新夢著『星になりたかった君と』(電子書籍版:2021年/実業之日本社/著者紹介)
あらすじ
少女は星になりたかった。そして僕は、彼女の星を探した―。
祖父の遺志を継ぎ、私設天文台の守り番となった大学生の鷲上秀星は、星祭りの夜、高校生の琴坂那沙と出会う。
「あたしね、星になりたいんだ!」
新しい天体を最初に発見した者には命名権が与えられる。
―そんな天文学界のルールを知って、那沙は「誰も知らない星」を一刻も早く見つけたいと強く望んだ。
彼女の前向きさに背中を押され、秀星も一度は断念した新天体発見への情熱を再燃させるが、それは悲しい運命の序章に過ぎなかった…。
永遠を誓う青年と少女の、号泣必至のラブストーリー!第1回令和小説大賞受賞!
引用元:星になりたかった君と|遊歩新夢|日本の小説・文芸|Kindleストア|Amazon
(https://www.amazon.co.jp/gp/product/B08QM7P7BY/ref=ppx_yo_dt_b_d_asin_title_o01?ie=UTF8&psc=1、商品の説明ー内容(「BOOK」データベースより)、最終確認日:2021年10月22日16:16)
登場人物
登場人物についてざっくりとまとめてみました。
・鷲上秀星(わしがみ しゅうせい)
宇宙のことを考えるのが好きな大学生。
一度超新星を祖父の太陽と共に見つけるも、手柄を横取りされたために超新星の観測をやめていた。しかし「星になりたい」という那沙の願いを叶えるために、祖父が残した天文台で超新星の捜索を再開する。
・琴坂那沙(ことさか なさ)
15歳の活発な高校生。
心臓に病を抱えており、自分が存在した証を残すために星に名前を付けたいと思っている。
「君」呼びする秀星に対して、名前は大事であることを主張している。
・鷲上太陽(わしがみ たいよう)
秀星の祖父。
秀星と那沙と出会う1年前に自身が建てた天文台にて彼と共に超新星を発見するも、心臓の病で倒れ、還らぬ人になった。
・廣瀬和康(ひろせ かずやす)
太陽が所属していた天文同好会のメンバーで、太陽が倒れた際に天文台に残り超新星発見の一報を太陽と秀星の手柄を奪う形で行った。
それ以来、アストロハンターとしてテレビなどでもてはやされるようになった。
・秋田久雄(あきた ひさお)
アストロハンター界の重鎮の一人で、太陽の友人。
・日向満彦(ひゅうが みつひこ)
秀星の親友。
太陽系近傍天体の軌道計算をメインとした研究をしている。
秀星が超新星観測を再開した際に全力でバックアップする。
・琴坂雫(ことさか しずく)
那沙の母親。
那沙を常に心配しているが、彼女が秀星と過ごすことについて容認している。
また、彼に彼女の病状について詳しく説明した。
感想(※ネタバレ含みます)
この本を読もうと思ったきっかけは、今年の正月に同じタイトルでスペシャルドラマとして放送されていたのを観ていたからです。
(主演は眞栄田郷敦さん、日向坂46の渡邉美穂さんです。)
小説ではどんなストーリーになっているのだろう、と気になってしまい本作を読んでみたのですが、想像とは違いました。
というのも、設定が微妙に違うからです。
要するにドラマと小説は別物ということですが、これはこれで面白いものでした。
秀星はある出来事によって超新星観測をやめてしまうのですが、本作のヒロインである琴坂那沙と出会うことによって、再び超新星観測を開始します。
その理由が、超新星発見の第一報者になって命名権を得て彼女に名前を付けさせたい、というものでした。
超新星を見つけるために、周囲を巻き込んでいく様がとても感動的でした。
まず最初に秀星が声をかけたのが、親友の日向。
彼は琴坂那沙のために超新星を発見したいということを知ると、より積極的に秀星に協力しました。
また、秀星は世界中にいるアストロハンターが見る掲示板に「彼女のために超新星を見つけたい」と書き込むと、第一報をすれば命名権を得られる可能性があるというのに、秀星に協力しました。
本当に良い人が多くて秀星や那沙は幸せだっただろうなと思いました。
しかし、良い人ばかりではなく悪い人も登場します。
それが廣瀬和康という人物です。
彼は鷲上太陽が倒れた際に天文台に残ったわけですが、彼が倒れたと同時に発見した超新星を第一報として公立機関に伝えてしまいます。
そしてそのまま廣瀬和康が第一報者として認められてしまい、命名権を取得してしまいます。
それ以来、アストロハンターとして様々なメディアや講演会に登場し、超新星発見の際の感動を自信満々に語ります。
しかしどうやって超新星を見つけたのかの詳細は語らなかったため、彼を疑うアストロハンターも少なくなかったようです。
そしてある講演会に秀星は潜り込み、どうやって超新星を見つけたのかを彼に問い詰めます。
当然第一報者と名乗っている廣瀬は秀星の指摘に逆上しますが、そんな中である人物が援護射撃をして、廣瀬は会場から逃げるように去っていきました。
人の手柄を横取りするといつかは痛い目に遭う、ということを学んだような気がします。
秀星は果たして那沙のために超新星を発見できるのか?
気になる方はぜひ、本作を手に取って読んでみてください!
最後に
今回は遊歩新夢さんの『星になりたかった君と』の感想を書いていきましたが、いかがだったでしょうか。
ドラマと設定が若干異なるため、ドラマを観たことのある方は別物として本作を楽しめると思います。
宇宙に関する知識がなくても文章中で説明してくれているので、本作をスムーズに読み進めることができます。
もしかしたら本作を読んで宇宙に興味を持ち始める人も出てくるのではないかと思います。
それほど面白い作品でした。
以上、遊歩新夢さんの『星になりたかった君と』の感想でした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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