にかどくログ

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【三秋縋/三日間の幸福】読了!

みなさん、こんにちは!

にかどくです。

 

『三日間の幸福』という小説を読み終えました。

今回は本作の感想を書いていきます。

 

三日間の幸福 (メディアワークス文庫)

 

この記事は以下の構成で展開していきます。

 

著者紹介

本作の著者は三秋縋さんです。

詳細は以下になります。

1990年生まれ、岩手県在住の作家。

ウェブ上で『げんふうけい』名義の小説も発表し、

人気を博している。

 

『三日間の幸福』(三秋縋)

(2013年/KADOKAWA/著者紹介より)

他の著書としては、

『スターティング・オーヴァー』(2013年/KADOKAWA)、

『いたいのいたいの、とんでゆけ』(2013年/KADOKAWA)、

『恋する寄生虫』(2016年/KADOKAWA)、

『君の話』(2018年/早川書房

などがあります。

 

なお、本作は

『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』(2017年/集英社

という作品名でコミカライズもされています。

 

『恋する寄生虫』に関しては、

林遣都さんと小松菜奈さんのW主演で

2021年に映画化公開される予定ですし、

こちらの作品もコミカライズされています。

 

概要

金欠になった主人公のクスノキ

古書店やCDショップの店員から、

寿命を買い取ってくれる店を紹介される。

紹介した店で寿命を査定してもらうと、

1年あたり1万円という査定結果が出た。

自分の寿命が高額で買い取ってもらえると思っていた

クスノキは査定結果に自らを軽蔑し、

人生を終わらせるために、

余命30年3カ月のうちの30年を

買い取ってもらう

その後、余命1年を切っているクスノキは、

監視員であるミヤギと生活することになる……。

 

主な登場人物

クスノキ

本作の主人公。

子どもの頃は自分が偉い人間になると思っていたが、

現実は平凡で退屈な人生を送っていた。

1年あたり1万円という査定結果に絶望し、

余命30年3カ月のうち、30年をお金に

換えてしまう。

 

・ミヤギ

クスノキの監視員。

寿命を売った人間が自暴自棄になって問題を

発生させないようにするためにクスノキのもとに

やって来た。

クスノキ以外にはミヤギの姿は見えない。

 

・ヒメノ

小学生の頃、クスノキと似たもの同士だった幼馴染。

20歳になっても結婚相手が見つかっていなかったら、

そのときはクスノキと一緒になるという約束をしていた。

 

感想

もし自分が寿命を売ったとしたら、

査定価額はいくらになるのだろうと

読んでいて思いました。

 

作中では、

社会貢献度や知名度などの総合的な評価によって

査定価額を決定しています。

つまり、生涯年収額が査定価額に直結しない

いうことです。

汗水流して働いて金持ちになっても、

人間的な価値がなければ査定価額は最低なものに

なります。

 

人間的な価値とは、一言で言ってしまえば、

優しさだったりするのではないかなと

僕は思っています。

 

困っている人がいれば、

損得勘定なしに手を差し伸べることができる人。

そういう人は

自分がどうなるかよりも他人がどうなるかを

考えることができているのだと思います。

自己よりも他人を優先することができる人は、

間違いなく人間的な価値が高いと

僕は思っています。

 

僕は高額で寿命を買い取ってもらえるような

人間にはなれていないと思うので、

生涯をかけて優しさを備えていければと

思っています。

 

そして、本作を読んで改めて思うことは、

生きている時間は無限ではないということです。

この瞬間に死ぬ可能性だってあるわけです。

さてそうなったときに、

我が人生に悔いなし!」と思えるでしょうか。

 

僕はまだそう思えません。

まだまだいろんなことに挑戦できていないからです。

挑戦しようとすると他人の目を気にしてしまいますが、

他人の目を気にすることなく自分がしたいことをすることで、

「我が人生に悔いなし!」と思えるようになるのではないかと

学びました。

 

 

最後に

みなさん、いかがだったでしょうか。

本作はライトノベルですが、内容はライトではありません。

命について考えさせられる、とても重たい内容と

なっています。

 

クスノキとミヤギの奇妙な生活が今後どうなっていくのか。

気になる方は本作を手に取ってみてください。

また、本作はクスノキ視点で物語が綴られていますが、

実はミヤギ視点のサイドストーリーもあります。

 

メディアワークス文庫のサイトに

三秋縋さんの特集ページがあるので、

そこでサイドストーリーである

『小さな願い』を読むことができます。

『三日間の幸福』を読了後に

こちらも読んでみてはいかがでしょうか。

 

以上、三秋縋さんの

『三日間の幸福』の感想記事でした。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

三日間の幸福 (メディアワークス文庫)

三日間の幸福 (メディアワークス文庫)

  • 作者:三秋縋
  • 発売日: 2013/12/25
  • メディア: 文庫