みなさん、こんばんは!
にかどくです。
今回は『アクロイド殺し』というミステリー小説を読み終えたので、
こちらの感想を書いていきます!
ちなみに本作は名探偵ポアロシリーズの3作目となります。
著者紹介
本作の著者は、「ミステリーの女王」と呼ばれている、アガサ・クリスティーさんです。
著者の詳細は以下の通りです。
1980年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。
中流階級の家庭に育つが、のちに一家の経済状況は悪化してしまい、やがてお金のかからない読書に熱中するようになる。特にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズものを読んでミステリに夢中になる。
1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。
1926年には謎の失踪を遂げる。様々な憶測が飛び交うが、10日後に発見された。
1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マロ―ワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。
1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている。
(早川書房/2003年/著者紹介より)
本作の概要
事件の発端は、キングズ・アボット村の名士であるロジャー・アクロイドの再婚相手であるフェラーズ夫人の死。実はこのフェラーズ夫人は夫を毒殺した人物であった。
フェラーズ夫人は自分の犯した罪と、この罪を知っている人間から脅迫を受けていることをアクロイドに告白する。しかし夫人は脅迫者が誰なのかをアクロイドに告げないまま、自ら命を絶ってしまった。
そしてある時、シェパード医師とアクロイドがフェラーズ夫人の死について話し合っていると、アクロイド宛に夫人からの手紙が届く。
その手紙で夫人は自身を脅迫していた者の名前を打ち明ける決意を述べていた。
シェパード医師は手紙をいま読むように伝えたがアクロイドはそれを拒否。
あとで一人になって読むと主張し、シェパード医師は脅迫者の名を知らぬまま自宅に帰った。
シェパード医師が自宅に戻って暫くすると、電話でアクロイドが殺されたことを知る。
アクロイド殺しの容疑者として浮上したのは、アクロイドの義子であるラルフ・ペイトン。しかし、ラルフ・ペイトンは行方をくらませてしまい、事件は迷宮化しそうになっていた。
そんな中、アクロイドの義妹の娘であるフローラ・アクロイドから犯人捜しを依頼されたエルキュール・ポアロが事件の真相を追い始める。
登場人物
本作では様々な人物が登場しますが、その中でも主な人物を紹介します。
私立探偵。引退後、キングズ・アボット村のからまつ壮でかぼちゃ作りに勤しむ。
フローラの依頼によって、アクロイド殺しの犯人を捜し始める。
・ロジャー・アクロイド
大富豪の地主。私生活では大変な倹約家であり、ケチという噂が立っていた。
フェラーズ夫人とは再婚する予定だった。
・ラルフ・ペイトン
ロジャーの義子。皆に好かれているものの、金銭にだらしがない。
・セシル・アクロイド夫人
ロジャーの義妹。ロジャーの弟である夫と死別したため、娘のフローラ・アクロイドと共にロジャーのもとで暮らしている。
・フローラ・アクロイド
セシルの娘。アクロイド殺しの犯人捜しをポアロに依頼した張本人。
ロジャーの希望により、ラルフと婚約している。
・ジェフリー・レイモンド
ロジャー・アクロイドの秘書。
・ジョン・パーカー
ロジャー・アクロイドの執事。
・ミス・ラッセル
アクロイド家の家政婦。
・アーシュラ・ボーン
アクロイド家の小間使いで、事件当日に暇を願い出ていた。
・ヘクター・ブラント
ロジャーの旧友であり、有名な狩猟家。人付き合いが苦手。
・フェラーズ夫人
キングズ・バドック荘の未亡人。
・ジェームズ・シェパード
ロジャーの友人である医師。本作の語り手。
・キャロライン
ジェームズの姉。噂好きで、情報収集能力に長けている。
感想
犯人の正体がまさか過ぎて、騙されてしまいました。
ネタバレを含んでしまっているので、もし本作を何の知識も入っていない状態で読みたいという方がおられましたら、ここはスキップしてしまってください!!
ネタバレせずに読んだ方が、この『アクロイド殺し』は面白いです!!
**ここからネタバレを含みます。ネタバレを遠慮したいという方は本ページのトップに戻るか、「最後に」にスキップするかしてください!!************
本作では、ジェームズがポアロの助手役として事件解決のためのサポートをしています。
だから「ジェームズは犯人ではないだろう」と読者は勝手に推測してしまいますが、よくよく考えるとジェームズは医者なので、フェラーズ夫人の夫が亡くなった原因を医学的に知ることができる唯一の人物なのです。ということは、フェラーズ夫人を脅して大金を巻き上げるのは容易くできてしまうというわけです。その他にも医者として色んなことができてしまうのです。たとえば、無実の人を入院させることで、容疑を自分に向けられないようにすることもできます。
とにかくシェパードはロジャーの口を封じて身の安全を確保するために、ありとあらゆる手段を用いて犯行に至っています。また、本作はシェパードの手記を読み進めていくことになりますが、シェパードは嘘を一切書いていないので、シェパードが犯人だということに最後まで気付かないと思います。
どうしても捜査に協力的な人間は「シロ」という前提でこういうミステリー小説を読んでしまうので、シェパードが犯人だということが判明したとき、驚きを隠せませんでした。
少なくとも僕は人を信用しやすいので、探偵は向いていないようです(笑)。
ロジャー・アクロイド殺しの犯人がわかり、めでたしめでたしで終わるかと思いきやそうではありませんでした。
ポアロはシェパードに逃げ道を用意しました。
それは自殺というものでした。
探偵が犯人に自殺を勧めるというのはいかがなものかと思いますが、姉のキャロラインんに真実を伏せたまま事件を終わらせるためには、これしか方法が無かったのです。
キャロラインは噂好きで情報収集能力に長けています。
ですから、手記をポアロの元へ届け、警察とポアロが事件を内密に処理してもらった方が、キャロラインの耳に真実が伝わることはないだろうと判断したのかもしれません。
探偵が犯人に自殺を勧める小説は珍しいのではないでしょうか?
最後に
今回は名探偵ポアロシリーズの3作目である『アクロイド殺し』の感想を書いていきましたが、いかがだったでしょうか。
登場人物や事件解決への糸口となる情報も多いので、一つ一つ整理していきながら読み進めていくと自力で真相に辿り着けるかもしれません。
書かれていることが全て真実だとは限らない。
ミステリー小説を読むスタンスを再認識させられた気がしました。
実は、僕は名探偵ポアロシリーズの1作目『スタイルズ荘の怪事件』も読んでいます。
ただ内容をきれいさっぱり忘れてしまっているっぽいので、記事を書くことができません。
再読したら、今回のように記事を書いていきたいと思います。
ちなみに名探偵ポアロシリーズの2作目『ゴルフ場殺人事件』は未読なので、読了次第感想を書いていきたいと思っていますので、待っていてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
名探偵ポアロシリーズ2作目『ゴルフ場殺人事件』の感想記事はコチラ☟