にかどくログ

読書をこよなく愛する平凡なサラリーマン。

映画から主人公が現実世界に出てきた⁉ ~宇山佳佑著『今夜、ロマンス劇場で』読了~

こんばんは。

にかどくです。

 

宇山佳佑さんの『今夜、ロマンス劇場で』を読了したので、

今回はこちらの作品の感想を書いていきます。

(Amazonにリンクが飛ぶようになっていますが、本ブログ管理者の利益にはなりません。)

今夜、ロマンス劇場で (集英社文庫)

 

著者紹介

本作の著者は宇山佳佑さんです。

1983年生まれ。神奈川県出身。脚本家。

ドラマ『スイッチガール!!』『主に泣いてます』『信長協奏曲』などの脚本を執筆する。著書に『ガールズ・ステップ』『桜のような僕の恋人』『君にささやかな奇蹟を』『この恋は世界でいちばん美しい雨』がある。

 

宇山佳佑著『今夜、ロマンス劇場で

(2017年/集英社/カバー袖より)

 

概要

映画監督を夢見る少年・健司は、ある嵐の夜、行きつけの映画館・ロマンス劇場で一人の女性と出会う。彼女は健司がずっと憧れていた映画のなかのお姫様・美雪だった!

モノクロ映画の世界から飛び出した美雪は、カラフルな現実の世界に興味津々で、わがままな彼女に健司は振り回されてばかり。共に過ごすうち、惹かれあうふたりだが、美雪には秘密があった……。極上のラブストーリー。

 

宇山佳佑著『今夜、ロマンス劇場で

(2017年/集英社/カバー裏表紙より)

 

感想(※ネタバレ含みます)

ここから感想を書いていきますので、

ネタバレを防ぎたいという方はここで引き返してください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、感想をざっくりと書いていきます。

健司はモノクロ映画の美雪姫が大好きで、ロマンス劇場という町の映画館で毎日のように観ているのですが、この気持ちよくわかります。

好きな映画があると、何度も何度も見てしまうんですよね。

 

僕は『あぶない刑事』シリーズや『インディ・ジョーンズ』シリーズ、『君の膵臓をたべたい』を特に繰り返し繰り返し見てしまいます。

『あぶない刑事』は主人公のタカとユージがユーモアとジョークに溢れていますし、とにかく格好良い!

インディ・ジョーンズ』は秘宝を追い求めるワクワク感とヴィランとの迫力ある格闘。

『君の膵臓をたべたい』は生きていることが決して当たり前ではないということを思い出させてくれる。

こういうところが好きで、空き時間があるとついつい見入ってしまう作品です。

 

話が少々脱線してしまいましたが、本作では健司が大好きな美雪がモノクロ映画から現実の世界へ現れます。しかも、モノクロの状態で。

映画の通り、彼女はわがままで、健司は思わず怒りを爆発させてしまいます。

でも彼女がお守りを失くしてしまうと、彼は雨の中探しました。

本当に彼女のことが好きなんだなという感じがしました。

あとは彼女は強い口調で健司のことをしもべだの何だのと言っているのですが、言葉の間の取り方から健司のことが好きなんだなと伝わってきます。

 

彼女の想いが終盤の方で語られますが、この想いがとても素敵なものでした。

彼女には人の温もりに触れると消えてしまうという秘密がありました。

そんな危険まで冒してどうして健司のいる世界にやってきたのか。

それは、健司に逢いたかったから。

自分の映画を人は次第に見なくなり、皆の記憶から消えていくことが怖いと思っている中で、美雪の映画を見つけてくれたから逢いたくなったというものでした。

ただ闇雲に逢いたかったのではなく、美雪が出ている映画を見て嬉しそうな笑顔を浮かべる健司に逢いたかったという理由がとても素敵だなと思いました。

向こうの世界から健司のことを美雪も見ていて、尚且つ、逢いたいという想いを抱いている。

最初から健司と美雪は両思いだったことがこの時点でわかり、甘酸っぱさのようなものを感じました。青春って感じがします。

 

もし映画の世界の人が現実に飛び出して来たら……。

僕の好きな映画はどれもモノクロではないので、現実の世界の人のように装うことはしなくても良さそうです。

『あぶない刑事』のタカとユージが出てきたら、トオルのように良いように使われそうな気がします。

インディ・ジョーンズ』のインディが出てきたら、色んな所に冒険に行き助手をやるような気がします。

『君の膵臓をたべたい』だったら、真実か挑戦かゲームでもやるのでしょうか。

とにかく健司のように振り回されるのは必至ですね。

 

さて、健司と美雪の関係がどのように展開していくのかは究極のネタバレになりそうなので、伏せておきます。

しかし、ラストは2人とも愛し合っていたのだなというのがわかるので、感動すること間違いなしです。

 

最後に

今回は宇山佳佑さんの『今夜、ロマンス劇場で』の感想を書いていきましたが、いかがだったでしょうか。

本作は2018年に綾瀬はるかさんと坂口健太郎さんが、それぞれ美雪と健司を演じて映画化されています。

しかし、映画の技術ってスゴいですね。本当にモノクロの世界から飛び出してきたように見えます。

(予告を載せておきます。)


www.youtube.com

 

小説が苦手な方でも、手軽に読める作品だと思います。

もしかしたら、この一冊から読書が好きになる方もいらっしゃるかもしれません。

『桜のような僕の恋人』、『君にささやかな奇蹟を』、『この恋は世界でいちばん美しい雨』も感動できる作品ですので、気に入ること間違いなしだと思います。

過去に感想記事を書いているので、リンクを貼っておきます。

 

『君にささやかな奇蹟を』の感想記事☟

nika-landmark.hatenablog.com

 

『この恋は世界でいちばん美しい雨』の感想記事☟

nika-landmark.hatenablog.com

 

以上、宇山佳佑さんの『今夜、ロマンス劇場で』の感想でした。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

 

 

 

僕のプロフィールについての記事はコチラ☟

nika-landmark.hatenablog.com